西村経産相のバングラデシュ訪問に際し、ビジネスサミットを開催

(バングラデシュ、日本)

ダッカ発

2023年07月27日

西村康稔経済産業相は、7月23日から24日までバングラデシュを訪問した。日本の経済産業相の同国への訪問は今回が初めてで、2023年4月に2国間関係が、従来の「包括的パートナーシップ」から、「戦略的パートナーシップ」に格上げされたことに機に、貿易・投資といったビジネス領域での協力関係をより深化させていく流れを象徴する出来事となった。

これに際し、ジェトロは23日、ダッカ市内のショナルガオンホテルにおいて、「新たな50年に向けた日バ経済関係サミット」を開催した。日本側からは、西村経済産業相を筆頭に政府関係者や企業関係者ら約150人、バングラデシュ側からはティプ・ムンシ商業相ら同じく約300人が参加した。

プログラムでは、ジェトロの信谷和重副理事長による開会あいさつを皮切りに、両国の関係者があいさつを行った。西村経済産業相はスピーチの中で、2022年に両国の外交関係樹立50周年を迎えたことを踏まえ、「『バングラデシュの産業高度化』『日本企業のバングラデシュシフト』『現実的なエネルギートランジション』を3つの柱として推進し、次の50年に向けて、より高度でイコールな経済関係の共創を進めていく」という方向性を発表した。

以降のプログラムでは、テーマ別のセッションとして、(1)製造業、(2)ICT(情報通信技術)・スタートアップ、(3)エネルギーの3分野について、関係者によるプレゼンテーションおよびディスカッションが行われた。(1)製造業については、産業多角化に向けた道筋やバングラデシュ経済特区(BSEZ)のアップデート、(2)ICT・スタートアップについては、バングラデシュのIT人材の活用拡大や同国のスタートアップへの投資可能性、(3)エネルギーについては、将来的な再生可能エネルギーの比率拡大およびその過程でのガスの効果的活用の重要性に関して、それぞれ主に議論された。

さらに本サミットでは、ジェトロとバングラデシュ商業省との間での通商政策における能力強化に関する覚書など、合計3つの覚書の締結も発表された。

写真 (左から)信谷ジェトロ副理事長、ズナイド・アハメド・ポロクICT担当国務相、ティプ・ムンシ商業相、西村経済産業相、ヌルル・マジッド・フマヨン工業相、岩間公典駐バングラデシュ大使(ジェトロ撮影)

(左から)信谷ジェトロ副理事長、ズナイド・アハメド・ポロクICT担当国務相、ティプ・ムンシ商業相、西村経済産業相、ヌルル・マジッド・フマヨン工業相、岩間公典駐バングラデシュ大使(ジェトロ撮影)

(薄木裕也)

(バングラデシュ、日本)

ビジネス短信 b7e4da4178790725