奈良先端大、学内に認可保育所 ハラール給食にも対応

奈良先端科学技術大学院大学(奈良県生駒市)は10月1日、認可保育所「咲いてく保育園」をキャンパス内に開所する。同大の学生は約4人に1人が留学生で、外国人教員も多い。来日にあたり家族帯同を希望する例も多いことから、子育て環境を整え、世界各国の優秀な人材受け入れにつなげる。教員や学生だけでなく近隣住民の子どもも受け入れ、地域連携にも取り組む。
咲いてくの園名は、同大の名称にある「サイエンス」と「テクノロジー」から取った。「花開く」という意味もこめた。学内のゲストハウス施設の1階部分を改装し、面積は135平方メートル。生駒市の認可を受け、同市の社会福祉法人が運営する。
0〜2歳児を受け入れる。定員は12人で学内枠が7人、地域枠が5人。年度途中の開所だが9人が申し込み、そのうち7人が東南アジアを中心とする留学生らの子どもという。イスラム教の戒律にのっとったハラール給食に対応し、スマートフォンの翻訳アプリなどを活用して保護者とやりとりする。同大は今後の定員増も検討している。
同大は「ダイバーシティ&インクルージョン推進室」を設けるなど、多様性の向上に力を入れており、保育所開設もその一環。塩崎一裕学長は「若手研究者のキャリア形成が中断されることのないようにしたい。研究と子育てを両立して活躍してもらうことは大学のミッション」と話した。