森永乳業の株価、一時3%高 共同臨床研究に期待感
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23日の東京株式市場で森永乳業株が一時、前日比92円(3%)高い3363円まで上昇した。インドネシアの行政機関と腸内細菌の共同研究に取り組むと発表し、中長期的な収益貢献への期待から買われた。

同日、生物遺伝資源を用いた共同臨床医研究に関する基本同意文書をインドネシア農業標準化機構などとの間で締結したと発表。ビフィズス菌など機能性素材の臨床エビデンス(根拠)の取得を進める方針という。
auカブコム証券の山田勉マーケットアナリストは「すぐに業績に反映されるものではないものの、ゆくゆくはインドネシアで粉ミルクの販売が伸びるとの見方が買い材料になった」と指摘する。人口増を背景に、インドやインドネシアでの粉ミルク販売に参入する企業は多いという。
楽天証券経済研究所の窪田真之チーフ・ストラテジストは「足元で健康食品の安全性に対する慎重な見方が広がっているなか、具体的な合意文書を締結したことが評価された」と話す。
予想PER(株価収益率)は15倍台と、競合の江崎グリコ(24倍台)や明治ホールディングス(19倍台)と比べて指標面で割安感がある。SMBC日興証券の古田典アナリストは「アイスや飲料など利益率の高い製品の売り上げを伸ばせるかがカギとなる」と指摘する。

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